『こんな素敵な人たちのいる国に生まれて良かった!』


東 久恵さん 私達の住む赤浜は、美しいリアス式海岸に縁取られた三陸の小さな入り江に面した集落です。“ひょうたん島”と呼ばれる蓬莱島を浮かべた自慢の海が奇しくもあの日、人々の営みをことごとく呑み込んだのです。

2011年3月11日を境に私達の生活は一変しました。生と死が隣り合わせで、しのぎを削った瞬間・・・

人々は、必死で家族を探しました。ここにもはや未来などあろう筈も無いと誰もが絶望に打ちひしがれ、深い悲しみの底に沈んだ夕暮れ、情け容赦の無い寒さが追い打ちをかけ、白い雪がこれでもかと冷え切った心を凍えさせました。大自然の圧倒的な力の前で、あの時程、人間の無力さを感じた事はありませんでした。

それでも人々は、すぐに立ち上がりました。高台で難を逃れた住民が炊き出しを始め、若者が孤立した地区に山を越え衣類を共に届けました。しかし、待っていたのは誰もが体験した事の無い極限状態でした。

そこに駆けつけて下さった自衛隊、警察、医師団の皆さん、それは任務をはるかに超越した活動でした。劣悪な環境下での先の見えない作業で、自らも疲労困憊していた筈なのに、我々住民には慈悲深い、優しい笑顔で暖かい言葉をかけて下さいました。みなさんの一生懸命で、真摯なお姿は、本当に涙が出る程感動いたしました。

私財を投じて駆け付けて下さったボランティアの皆様、暖かい炊き出しは、本当に有り難く、身体だけでなく、心まで温まりました。遠い外国から来て下さった皆様、様々な物資を届けて下さった皆様、遠くから励まし続けてくれた友人達!!

シャイで口下手な東北人である私達の感謝の気持ちが、お世話になった方々に果たして、どれだけ理解していただけたのかと、とても気がかりでしたが、こうしてご挨拶をする機会をいただき、改めて、心からお礼を申し上げたいと思います。

私達は皆様の心のこもったご支援とご声援にどれほど救われた事でしょう。絶望で冷え切った心に明るい暖かい光が満ちはじめ、筆舌に尽くしがたい希望のかけらのようなものが芽生え、もう一度歩きだそうと思わせてくれました。このご恩は生涯決して忘れません!!

私達は、かけがえの無いものをたくさん失いましたが、素晴らしい多くの方々に出会い、人と人が結ぶ絆の尊さを知り、自分たちの奥に秘めた強さにも気づかされました。不自由な生活を通じて、本当の幸せの意味も分かりかけている気も致します。

何より「こんな素敵な人達のいる国に生れて良かった!」としみじみ思いました。

先には、まだまだ厳しい道程が待っている事でしょうが、これから赤浜は、人々が後世まで真の意味で心豊かに暮らせるような、美しい自然と共存した、かつての赤浜がそうであったように、いいえそれ以上に、決してお金では買えない幸せに満ちたステキな集落の再生に向かって、一歩ずつ歩き始めます。どうぞ引き続き見守って下さい。私達の想いが、一日も早く成就されますように、時々お知恵を貸していただけたら幸いです。

重ね々々、皆様のお蔭でこうして静かに新しい年を迎えられた事を心より感謝いたします。

結びに赤浜より、2012年が皆様にとっても素晴らしい年となりますように、お祈り申し上げます。

tubaki

2012年2月 東 久恵

10 Responses to “『こんな素敵な人たちのいる国に生まれて良かった!』”

  1. 菊池秀子(旧姓阿部) より:

    東 久恵様
    久恵さんの感謝の言葉に こちらが感謝です。
    こうして元気な言葉をいただいて うれしくおもいます。
    どれほどの状況だったか 映像 報道を見る限りでは
    想像を絶するかぎりです。
    ことばもありません。
    特別になにか出来るわけでもないのですが 再生にむけて
    がんばっている みなさまに 感謝です。
    あの 原風景があるから がんばれる!!
    次世代まで 残したいですね。
    応援しています。
                  菊池 秀子

    • 東 久恵 より:

      秀子さん、コメントいただきましてありがとうございます。
      厳しい状況ですが、みなさんに励まされて、がんばれています。
      引き続き応援お願いします。

  2. あべじゅうぜん より:

    素敵な文章ですね。
    こたつの中のアンカのようにあーったかいです。

    3月11日には秋田の由利本荘市から10名ほどいきます。
    桜の植樹のおてつだいをさせていただきます。
    96本のろうそくと、ちいさなろうそく数百個と炊き出し
    そばと、やきそば、支援物資の生鮮野菜ももっていきます。
    赤浜の港でやりますので立ち寄っていってください。

    • 東 久恵 より:

      コメント 有り難うございます。(*^。^*)

      楽しみにしております。

      いつも 遠くからの応援 心強く感じています。

  3. 及川志保子 より:

    久恵様、とても素敵な文章ですね、ほれぼれしちゃいます。平安な日々を送っていたのに、突然津波が、何もかも大切な物も見境無く奪い去って行ったのですね。自分の事のように感じられました。打ちひしがれた暗闇の中から、全国の支援団体のかたがたの励ましに合い、立ち上がろうとする健気な心が尊いと思います。久恵さんなら「赤浜の未来を考える会」の一人として、素敵なアイディアを以て立派に復興することができると確信いたします。
     二昔前には私も赤浜の住人でした。その節には沢山お世話になりました。子どもたちといっしょに浜のシンボルの「ひょうたん島」で、よく野外学習を楽しみました。津波ではしけが流されたようですが、きっとそのうち復興する事でしょう。前よりもすてきになってね。一関市から応援しております。

    • 東 久恵 より:

      いつも、温かい励ましの言葉有り難うございます。

      私の力は微力ですが、皆さんと力を合わせて、一歩一歩進んで行きたいと

      思っております。どうぞ今後も見守ってください。

  4. おだ子 より:

    久恵ちゃん

    ブログ見ました。元気そうで良かったです。

    ホント、大変でしたね。

    久恵ちゃんの顔が見れて、私も安心しました。

    まだまだ大変ですけど、遠くから応援しています。

    また、ブログのぞきます。

    • 東 久恵 より:

      おだこ 早速お返事有り難う。

      どれほど皆さんの温かい言葉に励まされた事か!

      懐かしいあの頃を 思い出しました。

      まだまだ 大変な日々は続きますが、お陰様で、また明日からの励みに

      なります。

  5. あいり より:

    帰れる日を楽しみに、私も東京で頑張ります。
    心配ばかりかけてごめんね。

    • 東 久恵 より:

      どういたしまして!

      せっかく 家族として この世に生まれたのだから お互いに思いやる

      気持ちを忘れずに これからも仲良しで行こうよ!

      大切な 可愛い娘達だよ!

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