『かわいそう』ではありません

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津波の日まで授業をしていた赤浜小に11カ月ぶりに来た遠藤七海さん。自分の書いた字の前に立つ

 私は今、大槌中学校の1年生です。中学校が津波でこわされたので、仮設校舎で授業をうけています。

その日、私は日直でした。6年生だった私は、体育館で卒業式の練習をしていました。2時46分ごろ、とつぜん、大きな地震におそわれ、校庭へひなんしました。地面にはひびが入り、不安と心細さで、泣き出す生徒もいました。しばらく校庭でしゃがんでいると、「津波だ!!」という声とともに、黒い水が校庭へつっこんできました。全力で走ったので、くわしい状況はよくはあくしていませんが、家や電柱がくだかれる暴音と、実際に体験してみないと分からない恐怖をはっきりとかんじました。

 震災のあと、自分の家のあとへ行ってみると、大好きだったピアノのけんばんが、がれきとともにつまれていました。もう音の出ることのないけんばんは、これまでの楽しい思い出や、きんちょうしたこと、うれしかったこと、津波の恐怖、すべてをそれで語っていました。

 震災にあって、少し後ろ向きになっていた私は、支援物資といっしょにもらった手紙にかいてあった、支援してくださった人々の「大切なのは〝今〟だ。かぎりある〝今〟を大切にしよう。」という言葉で立ち直ることができました。「がんばれ」や「ファイト」という声もたくさんもらいましたが、私の心にのこった言葉それでした。

今は、知り合いの家をかりてくらしています。そっと顔を上げ、まわりを見てみると、そこにはやはり、がれきがつみ上げられた、変わりはてた風景が見えます。しかし、そこには、悲しみや苦しさだけではなく、全国の人々の心も見えました。

 私たちはたくさんの大切な物をなくしました。しかし、『かわいそう』ではありません。それを分かって下さい。私はとてもしあわせです。全国のみなさんへ、他国のみなさんへ、言葉では伝えきれないほど〝感謝〟しています。みなさんも、〝しあわせ〟と思える日々を送って下さい。

大槌中学校(赤浜小学校卒業)遠藤七海

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